椋鳩十編『ほらふきうそつきものがたり』の目次

ほらふきうそつきものがたり
小さな心の記録シリーズ
編者・椋鳩十 装丁・画・志水崑
昭和48年
発行所 童心社

目次
神沢利子(かんざわとしこ)「ほらふきトッコ」 11
生源寺美子(しょうげんじはるこ)「つなわたり」 118
横谷輝(よこたにてる)「まほうのタンス」 25
猪野省三(いのしょうぞう)「とうちゃんのバカ」  36
清水達也(しみずたつや)「しかえしされたほらばなし」 45
今西祐行(いまにしゆうこう)「へびをつかむ」 54
岸武雄(きしたけお)「へいこきどぼず」 62
砂田弘(すなだひろし)「ぼくはほらふき」 71
須藤克三(すどうかつぞう)「金の茶がま(きんのちゃがま)」79
たかしよいち「ほらあなのたから」 91
山口勇子(やまぐちゆうこ)「ふくれおばけ」 99
椋鳩十(むくはとじゅう)「川におちたあ(かわにおちたあ)」 107
増村王子(ますむらきみこ)「いなかっぺのうそつき」 116
代田昇(しろたのぼる)「げんこつ“ゴツン”」 125
赤座憲久(あかざのりひさ)「しゅくだいをわすれて」 139
前川康男(まえかわやすお)「ゾウの手ぶくろのはなし(ぞうのてぶくろのはなし)」 148
かつおきんや「うそつき金ぼう」 159
長崎源之助(ながさきげんのすけ)「いなくなったヘイキチ」  166
大川悦生(おおかわえつせい)「うそつきおっさんと子どもたち」 175
佐々木悦(ささきえつ)「オロンオーロンさくせん」  186
宮口しづえ(みやぐちしづえ)「火ばちの教室(ひばちのきょうしつ)」  214
しかた・しん「ぼくちょっとおとなさ」 225
宮川ひろ(ミヤガワヒロ)「かけひの水(かけひのみず)」 196
杉みき子(すぎみきこ)「はじめてのつづりかた」 207

語りつぐ戦争体験シリーズ、続・語りつぐ戦争体験の目次

日本児童文学者協会, 日本子どもを守る会 編
草土文化

語りつぐ戦争体験シリーズ

1 ぼくもわたしも梅の花
*子供のとき戦争があった*
七つボタンと豚の尻
混血少女の死
炭鉱の捕虜
中国に妹をのこして
*わが戦記*
ひんまがった日本刀
南十字星の下の青春
第三二号駆潜艇
*疎開のうた*
大豆ふたつぶと本一冊
のこされたはがき
ぼくもわたしも梅の花
欄間(らんま)
*かくされていた戦争*
テニアン島の囚人部隊
秘密の地下工場と朝鮮人
*村のはなし・町のはなし*
動物たちをころす
正直ものがバカをみた
米つき千三〇〇回
煙のでない煙突
あとがき

2
写し忘れたためとりあえず無し

3 骨壺(こつつぼ)
*子どものとき戦争があった*
ギンガミ・ボールがふってきた
とばなかった少年飛行兵
つくられた映像
*わが戦記*
老朱の首
報道班員海戦記
骨壺(こつつぼ)
*原子爆弾がおとされた*
由朗の弁当箱
お人形トコちゃん
かあさん がんばる
*敗戦のあと*
病人捕虜の貨車
収容所のバイオリン
インドの捕虜収容所
*村のはなし・町のはなし*
夏みかん
セミになった兵隊
戦争よ おわれ
逆密航記
あとがき

4 ビルマのくず湯
*子どものとき戦争があった*
四年間の足あらい
陽気なソ連兵と中学生
お山の杉の子
*わが戦記*
ビルマのくず湯
わたしのインパール作戦
われら海軍補充兵
マラリア
太田五年兵どの
*少女たちの戦争*
軍需工場と憲兵隊
白衣の少女たち
病院船の六か月
*すてられた満州移民*
七星坂下開拓団
更級郷の全滅
*村のはなし・町のはなし*
あの少年は
九大生体解剖事件
焼津基地ものがたり
戦争がのこした名立町事件
あとがき

5 神の子たち
*子どものとき戦争があった*
神の子たち
日本たたかうべからず
少年と硫黄島
最後のセレナード
*わが戦記*
胸の赤マルをつけ
グアム島戦記
八路軍への脱出まで
*学徒動員の日び*
魔の六月九日
原爆の長崎へ
*日本の土をふむまで*
旧正月のいただきもの
栗まんじゅうのジャングイ
引揚げ船宗谷
*村のはなし・町のはなし*
御民われ
雑炊食堂から闇市へ
桶やの戦争
ハマユウの花
あとがき

続・語りつぐ戦争体験
1 原爆予告をきいた
<戦記>
中国娘の生きギモ
スラマットジャラン
朝鮮での敗戦
ある脱走兵
<原爆>
生きていたみよ子
夏休みの長崎
あの一瞬
広島刑務所被爆記
原爆予告をきいた
<戦時下の生活>
天皇と馬ふん
ながれた米つぶ
寺に兵隊がやってきた
竹の下駄
空襲下の新婚旅行
あとがき 体験記を綴る運動を

2 沖縄県で戦った
<戦記>
ある高射砲中隊
生きぬいた兵士
沖縄県で戦った
沖縄・海の特攻
きょうも生きていた
沖縄・空の特攻
<離島の悲劇>
宮古島 最後の「赤トンボ」
伊江島・渡嘉敷島での敗戦
伊平屋島 三時間の上陸編
粟国島 掛けぶとんの防空頭巾
<戦時下の生活>
戦火の中の青春
沖縄方言の者はスパイ
母を苦しめた戦争
あとがき 沖縄戦とはなにか

3 火におわれて
<戦記>
鎌倉丸しずむ
天皇の軍隊
弱兵は死ぬ
<沖縄の人々>
山へにげて
未子の出産まで
少女と祖母
<看護婦として>
看護学生の青春
助かった右腕
長岡空襲で
<引き揚げ>
引き揚げ船しずむ
孤児のえがお
<戦時下の生活>
火におわれて
戦争と朝鮮人
あとがき 戦争と子ども

4 満州第731部隊
<いまこそ語る>
満州第七三一部隊
<空襲>
中学生と明石空襲
横浜大空襲の中で
無線村日記
<戦いやんで>
サイパン島の夏
飢餓の荒野
ふかしイモと金歯
山林にひそんで
<子どもと戦争>
写生画と特高
こっくりさん
あとがき 戦争は人間をかえる

5 鳥になりたい
<戦記>
マレー半島の一日
ニューギニアの敗兵
キスカ島戦記

宮下卯三郎「鳥になりたい」
・初年兵で台湾に入隊したころの教官の渡辺中尉と再会し、未完成の油絵をもらう。渡辺中尉はアッツ島でアメリカ軍の攻撃を受け亡くなる。
・玉音放送を聞いた後、戦場の整理をする。洞窟の入口で星野兵長が死んでいるのを見つける。この兵長は東京都の出身で、「ああ、鳥になってけえりてえや」と言っては、仲間の兵隊を笑わせていた。
・その後、シベリヤで四年暮らした。召集を受けて八年で生きて日本へ戻った。八年の間、私はどれほど「鳥になりたい」と思ったことだろう。

<戦場の人々>
祖父が語った戦争
殺人の記憶
皇国海軍の下級兵
日本大使館毒殺事件
<引き揚げ>
敗戦の満州で
わたしの十歳のとき
青いトマト
朝鮮脱出記
<戦時下の生活>
鱶の飯米

棟安経子「白鷺になった公用使」
・私の職場は物資部で、米・酒・砂糖・ズックなどを工廠で働く人に売る仕事だった。
工廠には公用使と呼ばれる人たちがいて、書類を運んだり、将校らの走り使いをする係で、十四歳前後の少年工があてられていた。その中に、三十過ぎの男が一人だけいた。
ある日、三十過ぎの公用使さんが叩きつけられたようにコンクリートの上に横たわっていた。兵隊に追い回されて屋上から突き落とされたんだと言う人がいたが、海軍の将校は「これは事故死だ」と言い、緘口令がしかれた。公用使さんが死んだ日は、夕焼けがきれいで、白鷺が群れて飛んでいた。公用使さんも、あの白鷺の一羽になったのでしょうか。

村の戦没者調査
あとがき 戦争体験を語る意味

舟崎克彦(フナザキヨシヒコ)「いたちのプンカンとのねずみのチララン」?

451 :なまえ_____かえす日:03/07/04 01:36 ID:FxY0Tsif
絵本で24,5年位前のもので探しています。クリスマスイブに、子ねずみがお母さんねずみに頼まれてケーキの材料を買いに行く話でした。
覚えているのが「ブランデー漬けの干しぶどう」が出てくることと、途中でお金を落としてしまうことです。
最後はちゃんとケーキを作ってもらえるのですが。

私より母親が好きだった絵本で、もう一度母と見てみたいのです。
移動図書館で借りたものだというので、もっと古いかもしれません。

456 :なまえ_____かえす日:03/07/04 04:49 ID:X7E/G89s
>451
思い当たる本があれば、さくっと教えるんだけど、ごめんね。
とりあえず絵本板の方が、知っている人がいるかもしれませんので、
聞いてみてはどうでしょう。
474 :なまえ_____かえす日:03/07/05 15:14 ID:Oa+73joj
>>451
「いたちのプンカンとのねずみのチララン」 作・舟崎克彦 絵・黒井健
ポプラ社 1977年では。
2本立ての絵本で、お探しのは後半の「のねずみのチララン」
ブランデー漬けじゃない普通のほしぶどうで、お金を忘れたのではなく
何をとってくるのかを忘れた、ですが、間違いないかと。
私も母とよく読みました、好きだなぁ・・・

http://book.5ch.net/test/read.cgi/juvenile/1051783548/451-474

いたちのプンカンとのねずみのチララン (1977年) (絵本のせかい) - – 古書, 1977/6
舟崎 克彦 (著), 黒井 健 (著)
http://amazon.jp/dp/B000J8TL5S

いたちのプンカンとのねずみのチララン (絵本のせかい) 単行本 – 1977/6
舟崎克彦 (著), 黒井健 (著)
http://amazon.jp/dp/4591005062

http://id.ndl.go.jp/bib/000001355929

「のねずみのチララン」のあらすじ
クリスマス当日、いつもは外に出てはいけないと言っているかあさんが、チラランにお店まで干しぶどうを取りに行くよう頼む。
チラランはかあさんの足あとをたどって店まで行こうとするが、雪が降り続けているので、足あとが消えてしまった。
チラランは一軒の家を見つけ、うずらの奥さんに声を掛ける。「お母さんの忘れたものはありませんか」と聞くと、「ありません」と言われる。「それがないとクリスマスケーキができないの」というと、粟の実をくれた。
うさぎのおねえさんの家を見つけ、同じようにしてきいちごのジャムをもらう。
あなぐまの家にも入り、ほかほかとゆげのたつお芋を三つもらう。結局、かあさんの言っていた店には辿りつけないまま家に帰る。
かあさんに忘れ物がなんだったか忘れてしまったことを伝えると、「そんなもの もう いいわ」と言って、チラランを優しく抱いた。心配して、あちこち探しまわっていたという。
それから、かあさんはチラランの持って帰った粟の実でパンを焼き、木苺のジャムでパイを作り、ふかしたおいもでスイートポテトをこさえた。
「たったひとつの クリスマスケーキよりも こっちのほうが ずっと すてきですね。」と結ばれる。

普通の干しぶどうは登場するが、「ブランデー漬けの干しぶどう」は登場しない。途中でお金を落とすエピソードは無し。最後にお菓子は作ってもらえるが、予定してたようなケーキは出来上がらない。お探しの本は昭和54年あたり、「いたちの~」は昭和52年なので、出版年は一致している。

寺村輝夫(テラムラテルオ)「ガルメ星のどく」(『ハアト星の花』)

571 :なまえ_____かえす日:03/07/17 12:01 ID:gkU6qFmg
20年以上前、小学校高学年の頃、小学校の図書館で読みました。
ハードカバーで、字は大きめだったと思います。
ところどころイラストが入っている児童書でした。
表紙に漫画チックな王様のアップで
物語は、好き嫌いの激しい王様がいて
目玉焼き(卵焼き?)ばかりたべていた。にんじんはだいきらい。
そこへ侵略者の宇宙人がやってきて
不思議なふりかけで王様を暗殺しようとする。が、
なにかの作用て、そのふりかけは味覚を変化させる作用があって
きらいなはずのにんじんを嬉々として食べる王様、というオチだったと
思います。

572 :なまえ_____かえす日:03/07/17 12:15 ID:+FTuPGBa
>571
「王さまびっくり」 かも

フォア文庫などで。

583 :571:03/07/19 00:01 ID:gxUy+3Jk
>572
ありがとうございます。
早速調べてみますね。

http://book.5ch.net/test/read.cgi/juvenile/1051783548/571-572

「ガルメ星のどく」のあらすじ
王さまはガルメ星の宇宙人に野菜が嫌いになる電波を送り込まれ、たまごばかり食べるようになり、体が弱る。
城のコックは王さまを心配して料理に野菜を混ぜたせいで、牢屋に入れられる。
代わりに、人間に化けたガルメ星人がコックとして潜り込む。
料理に毒を混ぜたのに、王さまにはまったく効かず、その毒をふりかけたものならなんでもおいしく食べられるようになり、野菜も食べて健康になる。
ガルメ星人と地球人の味覚は異なり、毒が薬になり、まずいものがおいしいものになる。
ガルメ星人のコックにとって地球の食べ物はまずいので、どんどん弱っていき、最後には体に毒である地球の薬を注射されて動かなくなってしまう。
王さまは宇宙人の姿に戻ったガルメ星人のコックを見てびっくりする。

ハアト星の花 (寺村輝夫の王さまシリーズ) 単行本 – 1998/5
寺村 輝夫 (著), 和歌山 静子 (イラスト)
http://amazon.jp/dp/4652006632
表紙画像あり

ハアト星の花 (1967年) (創作S・Fどうわ) - – 古書, 1967/3
寺村 輝夫 (著), 松島 わきこ (著)
http://amazon.jp/dp/B000JBTC2W

http://id.ndl.go.jp/bib/000004247354

斎藤隆介(サイトウリュウスケ)「寒い母」(サムイハハ)?

473 :なまえ_____かえす日:03/07/05 15:14 ID:lPs9TGly
爺さんと婆さんが縁側で背中を掻き合う、という描写のある話。
地味でしんみりした話だった記憶があるんだが、何だったか思い出せない。
476 :なまえ_____かえす日:03/07/05 16:13 ID:bU2+mu6L
>>473
斉藤隆介の「寒い母」?
かなり嫌な展開の童話だった記憶。

http://book.5ch.net/test/read.cgi/juvenile/1051783548/473-476

斎藤隆介全集〈第12巻〉春の声・寒い母 (1982年) - – 古書, 1982/7
斎藤 隆介 (著)
http://amazon.jp/dp/B000J7L3KU
表紙画像あり

ベロ出しチョンマ (新・名作の愛蔵版) 単行本 – 2000/11
斎藤 隆介 (著), 滝平 二郎 (イラスト)
http://amazon.jp/dp/4652005091
表紙画像あり

http://id.ndl.go.jp/bib/000002941319
内容細目 花咲き山. ソメコとオニ. 死神どんぶら. 毎日正月. 春の雲. ベロ出しチョンマ. 白猫おみつ. おかめ・ひょっとこ. こだま峠. 天狗笑い. 緑の馬. 天の笛. 白い花. 寒い母. トキ.

「寒い母」のあらすじ

昔、朝鮮の咸鏡北道に、七人の息子がいる寡婦がいた。
木樵をしていた夫は、山で木の下敷きになって死んだ時、彼女はまだ二十八歳だった。
子供たちは母の苦しさと家の貧しさを知って、小さいうちから働いて家計を助けた。特に長男のピョルスンイは、何でもやる思いやりの深い子である。
ピョルスンイが木樵を生業とするようになった時、母は四十四歳になっていた。その年の冬から、母はひどく寒がるようになった。七人の息子たちが木を山のように持ってきて休まずに火を焚いたが、それでも母は寒がった。
七人の息子たちはよく稼ぐ者なので、一度眠ったら朝まで起きない。しかし、その晩はどういうわけか、ピョルスンイが目を覚ました。母の姿が見えない。ずっと待っていると、歯をガチガチ鳴らしながら明け方に帰ってきた。
ピョルスンイはその日は眠らず、母の後をつけることにした。母は村はずれの川につくと、着物を脱いで川を渡った。ピョルスンイもついていく。川から上ってしばらく歩くと、濡れたズボンが凍った。母は、またしばらく歩き、隣村のある草屋の戸を叩く。
中から老爺が現れ、愛しげに母の手を取った。部屋の中で、老爺と母は、お互いの背中を気持ちよさそうに掻き合っていた。この国では、夫婦の事を行うことの出来ない年寄りは、互いに背中を掻き合って愛おしみ合うのだ。
ピョルスンイは、母が自分たちを育てた年月は大変だったろうなァという思いと、母も女だったことを忘れていたという思いで、涙を浮かべた。夏でも寒いと震えていた母の心と体が身にしみて分かった気がした。
ピョルスンイは家に帰ってすぐに兄弟を起こし、事情を話した。それから、母が帰ってくる前に、冷たい川に入って大きな石を1つずつそれぞれ据えた。作業を終えると、大急ぎで家に戻り、ふとんをかぶって眠った。
母は川の中に飛び石が渡されているのを見て、涙を浮かべ、神に祈った。この飛び石がいつまでもあるように、そして、誰かは知らないが飛び石を渡してくれた人が亡くなったら天の星になるように。
母はそれからも隣村へ通った。七人の息子たちは、次々に結婚した。母も息子らの結婚を喜び孫たちをかわいがったが、隣村通いはやめなかった。
やがて、隣村の老爺は死んだ。母は隣村へ墓参りに通う。前の夫墓参りはする気にならないので気がとがめたが、それが自然なのでそうした。やがて母は安らかな顔で死んだ。
何十年か経ち、七人兄弟が全部いなくなった宵から、北の空に今までになかったひしゃく形の七ツ星が輝きだして人々を驚かせた。神様は、哀れな寡婦の祈りを覚えていなさったのである。
朝鮮咸鏡北道南面里には、今でもその飛び石が川を渡って白く顔を出している。

縁側ではないが、背中を掻き合う場面が印象的な話ではある。